ガダラの豚、中島らも

ガダラの豚 1 (集英社文庫)ガダラの豚 2 (集英社文庫)ガダラの豚 3 (集英社文庫)
読んだ。これまで中島らもの作品は読んだことがなかったのだけれど、本屋でたまたま見かけて、面白そうだったので、買ってみたらこれが大当たりですよ。
大生部という学者が、一家でテレビの撮影をかねてアフリカに呪術者の調査にいったら、バキリという向こうのすごい呪術者の恨みをかっちゃって、とんでもないことになる、というのが大まかな話の流れ(一応話の大事な部分は言及を避けたつもり)。
普通に呪術者とかって全然胡散臭くて迷信じゃんというようなイメージを持っていたのだけれど、呪いの存在を信じている文化圏では呪いが実際に機能し得る(効果がある)といった呪いに関する解説みたいなものを話の端々にちりばめることで、小説の背景にリアリティが出ているため、展開にもあまり無理を感じない(まあ、バキリの呪術能力はあり得なそうだけど)。読み終わってみると、話の前半の方で、呪いが超能力とか怪しい新興宗教とは違うんだよっていうのがあるから後半のお話がより光ってるんだと思う(最初読んでたときは、一巻の後半あたりが若干助長な気がした)。
お話としても途中の展開が読めなくて、ほんと面白かった。