君たちはどう生きるか

君たちはどう生きるか
吉野 源三郎
岩波書店 (1982/01)
おすすめ度の平均: 4.95
4 おりに触れ何度か読んでもいい本
5 日本人の民主主義の到達点。自分の足元を見つめるために。
5 普遍的名作!

を読んだ。うーむむ、正直本当に感動した。
webのページを色々見ていたらたまたまこの本の紹介を見て、買ってみたのだけど、はじめはいかにも中学生や高校生向けの教育目的で使われそうな感じだなーと思って流して読んでいたのだけど、読み進むうちにやられた。。これは本当に素晴らしい本。
特徴としては、本書の最後の丸山真男氏の解説が良く表していると思うので抜粋する。

この一九三〇年代末の書物に展開されているのは、人生いかに生くべきか、という倫理だけでなくて、社会科学的認識とは何かという問題であり、むしろそうした社会認識の問題ときりはなせないかたちで、人間のモラルが問われている点に、そのユニークさがあるように思われます。そうして、大学を卒業した手の私に息を呑む思いをさせたのは、右のようなきわめて高度な問題提起が、中学一年生のコペル君にあくまでも即して、コペル君の自発的な思考と個人的な経験をもとにしながら展開されてゆくその筆致の見事さでした。

正直、自分がこんな人間のモラルとかを語っている本で感動するとは思わなかったなぁ。それだけに余計に、この本を気に入りました。
特に、p249からの部分が気に入ったのだが、長いので抜粋はしません。
とにかく、何度も何度も繰り返し読みたくなる本ですし、その価値があると思います。非常にお勧め。