読売と日経

うちでは読売新聞と日経新聞を購読している。それで両方とも読んでいたんだけど、テレビ欄から2面前のキトラ古墳の玄武剥ぎ取りに関する記事で両紙の見出しがま逆のことを言っている。
読売では剥ぎ取りの際に5箇所損傷してしまい失敗だと述べているけど、日経では5箇所の損傷に関しては述べられておらず剥ぎ取りに成功したと書いてある。
記事をよく読めば同じことを言っているのかなと思ったらそうでもない。文化庁が「修復は問題ない」とコメントしたようなんだけど、読売ではその修復は剥ぎ取りの際に損傷してしまった部分に対する修復と述べてあるのに対して、日経では剥ぎ取る際に全体を一塊としてはがすのではなく4つに分けてはがしたので、それらを再度つなぎ合わせる作業を指して修復としている。
しかも、読売でも分割して引き剥がすことに関しても言及しているのだが、こちらでは3分割と書かれており、その分割と損傷部分を表したイラストまで載っている。
実際の文化庁の発表の内容を見ることが出来ないのでなんともいえないが、どうやら読売に記述されている方が事実に関しては当たっているようです。これが成功か失敗かの判断は人によって異なるだろうから、新聞社によって書いていることが異なるのはかまわないような気がするけど、書かれている事実も異なっているというのはちょっとどうなんですかねぇ。こんなこと文化庁の発表を確かめればすぐわかることだと思うんだけど。
こういうことがあると余計に、”わかったつもり”になるのは危険だと思いますよね。

わかったつもり 読解力がつかない本当の原因
西林 克彦
光文社 (2005/09/20)
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4 いかにいい加減に文章を読んでいたかわかりました。
4 読者をおとしいれながら解説
5 そのとおりだ